1996年にマイアミのオレンジボールで行われた、アトランタオリンピックの男子サッカーグループリーグ初戦で、日本代表がサッカーの母国ブラジル代表を相手に歴史的勝利をあげた試合のこと。
各世界大会で数々のタイトルを獲得してきたブラジルだが、オリンピックの金メダルだけはまだ獲得していなかった。そこでブラジルは、アトランタオリンピックにロナウド、リバウド、ロベルトカルロスといった主力選手を集め、まさにオールスター編成で臨んできた。
そんな世界最強のメンバーを集めたブラジルと、グループリーグ初戦であたることになったのが日本代表。
下馬評では圧倒的にブラジルが優位だったが、日本はゴールキーパー川口能活が次々と浴びせられるシュートをことごとく止めブラジルに得点を許さない。
そしてブラジルの猛攻を日本が耐え抜いて迎えた後半27分、ロングボールの処理をあせったブラジルゴールキーパーとディフェンダーが交錯してボールをこぼしてしまい、そこをすかさず走りこんでいた伊東輝悦がボールを拾い無人のゴールへ流し込んで、劣勢が続いていた日本が先制点をあげる。
1つのミスで先制を許してしまったブラジルは、追いつこうと何度も日本陣内に攻め入るが日本ディフェンス陣は集中を切らさず耐え抜き、そしてタイムアップ、虎の子の1点を守り抜いた日本が歴史的な勝利を手にしたのだった。